コートールド美術館展 魅惑の印象派

上野の東京都美術館で開催されていた「 コートールド美術館展 魅惑の印象派」に行ってきた(2019年12月の話)。
東京での開催は12月15日まで。2020年1月から愛知、3月から神戸で開催予定である。
コートールド美術館展 魅惑の印象派

美術研究所による解説図

公式サイトによれば、コートールド美術館は「世界有数の研究機関であるコートールド美術研究所の展示施設」である。 その特徴を活かして、充実した解説コーナーが設けられていた。

絵のうち数枚については、近くに「この部分はこういう特徴があるよ」「この人の衣装にはこういう意味があるよ」と鑑賞のポイントを解説していた。 個人的にはなかなかありがたかった。

印象に残った絵

スーラ 「クールブヴォアの橋」

ジョルジュ・スーラは点描技法を使った絵を多く残した。 31歳で病死してるんだな……早くして亡くなったんか……

「クールブヴォアの橋」はパリのセーヌ川の景色を描いた作品で、図録によれば 「自ら編み出した点描技法を画面全体に用いた最初の作品とされる」。

絵が気に入ったので、ポストカードとクリアファイルを買った。 ……が、ポストカードでもクリアファイルでも色合いがおかしい。 何か暗くてどんよりとした感じになっている。 元の絵の、明るく輝いていた色彩が失われてしまっている。

もとが明るい絵の場合、ポストカードとかはその明るさを上手く再現できないことが多い。 見返してみたら、夏に「松方コレクション」を見に行った時も同じ感想だった。
linus-mk.hatenablog.com

ルノワール「桟敷席」

劇場の桟敷席という、当時としては珍しい題材をとった作品。

桟敷席に集まる人々は、パリの流行の最先端の装いをしているわけで、いわば一種のファッションショーみたいなものだ。 確かに後ろのオジサン……男性(ルノワールの弟)も、双眼鏡を下ではなく上に向けている。

関連する展示として、当時の新聞の風刺画で「大劇場の桟敷席と典型的な人々」というものがあった。 現代風に言えば「劇場の桟敷席にありがちなこと」「劇場の桟敷席あるある」というところだろう。 そういう風刺のやり方は、100年前も現在も同じようなことをしてるなぁと思うと面白い。

モネ「アンティーブ」

南仏に滞在したクロード・モネがそこでの風景を描いたもの。 モネの手紙の文面がカッコいい。 『私は、太陽と刃を交え闘っています。この地の太陽は、なんて太陽だ!黄金と宝石で描かなければならないのです。』

山並みや空に薄いピンクが使われているのが面白い。風景をどういう色で描くか悩んだのかなー。

印象派の絵が多くあったので、珍しく図録を購入した

図録は結構ぶ厚くて場所を取るから基本的には買わない主義なのだが、 今回は好みの印象派の作品が数多くあったので、つい買ってしまった。

(余談:音声ガイドでナビゲーターをしていたのは俳優の三浦春馬だったけど、音声の途中で女性の解説者に交代することが多かった。 三浦春馬自身がしゃべってる部分は、他の美術展と比べても少なかったような気がする。)